UNBY JOURNAL
INTERVIEW to OCEANTREE PROJECT
Behind Story-前編-

Unby General Goods Store SANDAで上映されるmovieの全貌


Text:UNBY PR
Photo: OCEANTREE PROJECT

鶴のひとこえ、くいぎみの「協賛します!」

ぼくたちの活動に協賛していただけませんか?

もともと、UNBY CREWとしてAS2OV製品をつかってくださっているプロサーファー石川拳大さんが、UNBYにおこえがけしてくださったのが「OCEANTREE PROJECT」との出会いでした。アライア、という板に出会い、そこから環境、自分の要る場所をみつめていく「OCEANTREE PROJECT」の概要・短編映画製作のことを石川くんが話しおわるかおわらないか?資料も全然めくりおわっていない状態の中。

くいぎみに「UNBYは協賛します!」とのボスの一言で、OCEANTREE PROJECT映画の制作の協賛ブランドにしていただきました。

アライアを中心に旅を続ける「OCEANTREE PROJECT。」お仕事で忙しくて、わすれてしまいそうな 本当に大切なこと。 目をそらさずに見つめる、石川くんとシネマトグラファー八神くん。旅の中心のアライア。オンラインで発表されている「OCEANTREE PROJECT vol.1」を見て、おふたりに聞いてみたい事を聞いてみました。

「中身が大事」ってこういうことなんじゃないのかなあ。おふたりのインタビューを読みながら、またしてもお店として、会社として、掲げたこの言葉の重みを今日も考えてしまうのです。

UNBY至上、一番読んでいただきたい読み物になったと思います。一読いただけましたら嬉しいです。

Interview

以下 石川拳大さん:Kenta 八神 鷹也さん:Takaya

Q1. OCEANTREE PROJECTの活動内容を教えてください。 Kenta : 僕が大学生の頃にサーフィンの原点を探求し、サーフボードの原点である木製サーフボードの「アライア」と共に旅に出たことをきっかけにプロジェクトがはじまりました。

海で遊ぶ道具であるアライアを作りに山へと入り、自然全体と触れ合い、その中でたくさんのジャンルで活躍する方々と出会い、気づけばサーフィンだけでなく、社会全体を見つめ直す「原点回帰の旅」になっていました。

そんなOCEANTREE PROJECTは、現代の自然や社会と向き合い、アライアと共に表現するプロジェクトです。


Q2. 始めるきっかけはどんなことでしたか?また、お二人で組むようになったきっかけなどはありましたか? Kenta : アライアで旅に出たきっかけは、当時通っていたとある大学の授業がきっかけでした。その授業では、木製サーフボード作りをきっかけに地元の山と海を繋げる活動をされている方が登場しました。

サーフィンをきっかけに地球規模の大きな表現をしているサーファーの活動を目の当たりにして、サーフィンの可能性を感じました。

その時に、「僕もアライアで何か表現をしたい」と思ったことがきっかけで大学のゼミの仲間たちとプロジェクトをはじめたのがOCEANTREE PROJECTのスタートです。当時からデジタルの場で世界に発信できる映像には興味があり、プロジェクトメンバーと共にショートフィルムを作っていました。そんな時に学生でありながら映像制作を本業としていたタカヤから「映画を作ろうよ」と声をかけてもらったことが、現在の短編映画を作るきっかけとなりました。そして、1作目は大学の卒業制作として発表をしました。

Q3. アライアに惹かれた理由・きっかけなどはありましたか? Kenta : アライアとの初めての出会いは、高校生の時にオーストラリアのバイロンベイというところに行った時でした。

当時、競技以外のサーフィンをあまり知らない僕にとっては衝撃的な瞬間で、アライアのそのシンプルな姿とそれで波に乗るサーファーが凄くカッコ良かったことを鮮明に覚えています。

その時にアライアに初めて乗った時の感覚は、僕がはじめて4歳の頃に乗った波と同じ感動がありました。僕のサーフィンの原点とサーフボードの原点がマッチした時に、競技活動をする上で求め続けていたサーフィンの本質的なものが蘇ってきた気がしました。そこからアライアに魅了されて乗り続けています。

Q4.2017年に始まったプロジェクト第一弾 (エピソード1) のことをお聞きします。 (少し前になりますが、ぜひ覚えていることを教えていただけたら嬉しいです。) 第一弾のムービー制作の時、インタビューされた方々(アライアのシェイパー・トムさんや材木座の上ノ山さん、環日本海環境協力センター寺内さん等など。。。)との対話を通し、感じたことはなんだったか?印象的だったことなどもあればぜひ教えてください。 Kenta : パフォーマンスボードがある程度確率された時代に、古来のハワイアンが乗っていたアライアを復旧させたパイオニアでもあるトム・ウィグナーさんとの出会いはやはり印象深いです。トムさんと繋いでくれたのはNobbywood Surfboardsのノビーさん。ノビーさんは日本の波乗り文化である板子乗りなどの歴史を研究し、トムさんとも交流深い方です。

そんなノビーさんから世界的にもレジェンドであるトム・ウィグナーさんを紹介していただき、オーストラリアのヌーサにあるトムさん宅へ訪ねることができました。当初はトムさんと一緒にサーフィンをする予定でヌーサに行ったのですが、オーストラリアだとは思えないくらいの波の小ささでサーフィンができる状況でもありませんでした...

そうするとトムさんから「波も無いし一緒にアライアを作っちゃおっか!」とご提案。そこから僕たちは2泊3日もトムさん宅で一緒にアライアを作りながら過ごさせていただきました。

多忙にも関わらず急に訪れたはじめましての日本人の若者2人に3日間もの時間を作ってくれたトムさんは本当にレジェンドだなと痛感しています。第一弾の作品内にもトムさんと過ごした時間の映像がありますが、僕の中でも特に印象的でアライアをきっかけに人生のターニングポイントとなった1つの瞬間でもありました。

Takaya : 活躍されている皆さんがそのフィールドを「自分たちの居場所」として、確かな自覚を持って生きていらっしゃいました。

人生の中で多くの時間を使う「仕事」。その仕事場が、海や山という地球そのものにどっぷり入ったような状態で、それぞれ責務を全うしていらっしゃいます。

常に頭の中はそのことで溢れていて、「仕事=趣味」と言うにはドンピシャな方々です。情熱に溢れ、探究心が深く、喋り出したら止まらない。どんな言葉も全てが学びとなり、その生き様に胸打たれています。

そんな素晴らしい体験もすでに5年前で、僕らも仕事での立場や、覚悟が必要な年齢になりました。未来に向かって日々をどう過ごすのか、あの時から心にある皆さんの姿や言葉に励まされることも少なくないです。

Q5. 第一弾ムービーを完成させ、何か自分自身で変わったなと思うことはありましたか? (気持ちや出来事、アクション、どんなことでも)また反響など含め、意外だったことなどもあれば教えてください。 Kenta : 山へと入り、木を切り出し、自ら作ったアライアで波に乗り、目の前にあるモノ・人・自然など全てが『当たり前』の存在ではないとOCEANTREE PROJECTを通じて実感しました。

新しいモノがすぐに手に入るこの時代に、全ての人が全ての存在に改めて感謝の気持ちを持てたら、そこにはきっと『皆が幸せ』と感じる世界があるのではないか。そんな大きな想いを持ちながら今でもプロジェクトに取り組んでいます。

第一弾の大きなテーマは「サーフィンで山と海をつなげる」ことでした。OCEANTREE PROJECTを行う前は山と海の距離感がとても遠いものだと感じていたのですが、自らアライアを作るために山へと入り、地球規模で自然を見れるようになり価値観が一気に変わりました。

また、当時は海に直接的に関わる人々以外はあまり「海ごみ」に関心がなかったかと思います。「サステイナブル」や「SDGs」というような言葉が流行してきた最近になってまた第一弾に注目をしていただいているのは当時は考えもしなかったかもしれません。


Takaya : 当時は、SDGsというワードすら知らず、東京での上映会で広告代理店の方から「SDGsって知ってる?」と聞かれ、「ルールや目標を共有することは大切ですよね」みたいなことを返答した記憶です。環境問題や資本主義の問題等、学校で教わることはなく、友人や取引先からは「かっこいいことしてるね」と、所謂意識高い系みたいな扱いを受けていました。

でも、「社会が変化する時は遠くない」「この作品は後から評価される」と、二人で励ましあうこともありました。ビーチでゴミを拾う姿をSNSに載せることも、若干の迷いが湧くほど世間の価値観は、今とは異なったものでした。

それが今、こうして大企業に限らず、ほとんどの企業が共通の目標を認識し、「できることから」取り組んでいらっしゃいます。仕事としてご一緒するプロジェクトも増加し、時代の変化、そのど真ん中に自分がいることを思うと、人生の面白さを感じています。

Q6.プロジェクト第二弾について第一弾を終えて、また全く違う切り口の「漆」に着目したきっかけを教えてください。 Kenta : 第二弾については、第一弾を作っていく中で構成は考えていました。当時は何かと海外への憧れや海外の物が圧倒的にかっこよく見えたりもして、勢いで海外へと飛び出て撮影を行いました。

その中でトムさんから日本文化の素晴らしさや日本の波乗りの歴史についても深く教えていただいたりもして、改めて母国について見つめ直すきっかけにもなりました。また、海ごみ問題について学者の方々に教えていただく中で、これは日本の本来あった暮らしや江戸時代には優れた循環システムがあったと言われるように、日本文化にはたくさんのヒントがあるのではと思いはじめたのです。

そこで、OCEANTREE第一弾と同じタイミングでトム・ウィグナーさんと一緒にプロジェクトを進めていたのが堤淺吉漆店4代目の堤さんです。

Q7. 堤淺吉漆店4代目の堤 卓也さんと「漆アライア」を制作するようになった出会いやきっかけを教えてください。 Kenta : 堤さんはOCEANTREE第一弾と同じタイミングでトムさんと一緒に「漆アライア」を作っていて、その頃からずっと乗ってみたいアライアの1つでした。2019年にトムさんが日本ツアーで湘南に来た際に、堤さんともはじめてお会いし「漆アライア」にも乗せていただきました。今まで乗ったサーフボードの中でも圧倒的に一番速かったことを今でも覚えています。

そこで日本の古来からある文化への可能性を確信した僕は、堤さんにOCEANTREE第二弾として日本の伝統文化や地産地消の暮らしを「漆アライア」と共に京都で表現したいと想いを伝えたのがきっかけで第二弾がスタートしました。

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Event Notice

OCEANTREE Episode.2 上映会
トークショー 石川 拳大さん 堤 卓也さん

日時:11月4日(金)
場所 : UNBY GENERAL GOODS STORE三田店
時間:19時半〜20時半
参加費:1,000円(税込み)/ 軽食+ドリンク付き
お問い合わせ: 0795-50-9033

OCEANTREE Episode.2 上映会への申し込みはこちら

石川 拳大 / Kenta Ishikawa

1994年生まれ湘南出身、家族の影響で4歳からサーフィンを始める。高校時代はオーストラリアのゴールドコーストに4年間留学。大学では卒業制作に映画『OCEANTREE ~ The Journey of Essense ~』を発表。現在は日本情報通信株式会社 (NI+C) のアスリート社員として、国内外の大会に参戦中。また、その他の様々なプロジェクトに参加。

八神 鷹也 / Takaya Takaya

1994年生まれ湘南出身、サーフィン歴10年の世界をまわる映像作家。高校生の時メディア業界に入り、TV番組や企業のCM・PVなど様々な作品の制作に携わる。石川拳大と学生サーフィン連盟の大会で出会い、共にサーフィンの新しい表現に挑戦中。

堤 卓也 / Tsutsumi Takuya

1978年生まれ。明治42年創業の漆を扱う数少ない原材料店の4代目。国宝・重要文化財建造物の修復に採用されるなど、日本を代表する漆メーカーとして、新しい表現への挑戦を続けている。新たな活動「工藝の森」では子供達と0から森を作るプロジェクトを発足し15年後の未来を創っている。

作品について
石川拳大さんが4歳の時にはじめて乗った波の感動を追い求め、サーフボードの原点であるアライアと出会った事をきっかけに、大学の仲間たちと共に2016年にプロジェクトを始動。2017年には大学の卒業制作として短編映画を発表。また、第一弾から5年の時を経た2021年には社会人となり新たな価値観を第二弾として発表。

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