UNBY Style Magazine Vol.1の商品一覧
【すぐにできる】シンプルかっこいい焚火の仕方。
-UNBY的オトナの焚火スタイル-
TEXT:ケンケン
今回は、アイテム紹介から少し離れて、UNBY的焚火法を皆さんにお伝えしていきたいと思います。UNBYが思う楽しい大人な焚き火スタイル。焚きつけから、片付けまでご紹介します。
薪の組み方はさまざま。
焚火をするにあたり、薪の組み方を決めないといけません。調理向けの「並列型」、いわゆるキャンプファイヤーのような「井桁型」、長くゆっくり楽しめる「合掌型」などなど、薪の組み方ひとつをとっても実はたくさん種類があります。
今回は、焚火調理に適し、比較的簡単な「並列型」をチョイス。
今回、焚火台はMINIMAL WORKSのVALCAN Lを使用しました。口が広く比較的大きな薪も難なく入れられ、火を楽しめる形の焚火台です。3本の足は、高さ調節が3段階にわけてできるので、チェアや地面の状態に合わせて調節できるのでオススメです!
【SPEC】
大きさ : W450 x D450 x H240mm
収納時 : W330 x D330 x H140
重さ : 2.7kg
素材 : ステンレス304 / エアーフロー - ステンレス420
話を薪の組み方に戻しますね。
まずは、火をつける前に薪の配置を決めておくとスムーズに焚きつけができます。並列型は「枕木」といわれる薪組みの土台が重要。まずはその枕木を焚火台の中心より少しずらした位置に配置します。
そして、その枕木に立てかけるように放射線状に組んでいきます。
ここでのポイントは、枕木に立てかける部分にすべての薪が接触するように置くこと。これで配置確認OKです。
より楽しむために必要なアイテムをチェック!
焚火をする上で焚火台を準備するのは大前提として、そのほかにあるとより焚火を楽しめるUNBY的必須アイテムをご紹介します。今回使用したアイテムは、写真にある5点。
1つ目は、HULTAFORS(ハルタホース) アウトドアナイフOK4というフルタング仕様のナイフ。ハンドルが長く設計されていることで持ちやすいのが特徴です。日本の炭素鋼を採用しているので、切れ味の持ちが抜群。
ナイフの使用感がいいのは他のブランドでもあること。しかしこのHULTAFORSが一味違うのは、元々ブッシュクラフト用に作られているナイフなのでブレードには木の長さをはかれるメモリがついていること。ブレードの背は、メタルマッチで火をおこしやすくされていて、まさに薪割り、火つけに適しているナイフです。
そういったユーザーが実際に使っているシーンを想定した嬉しい小ネタが詰まったアイテムになります。
【SPEC】
ブレード寸法 : 93mm
全長 : 209mm
重量 : 110g + ホルスター42g
ファイヤースターターなどで火つけをする際にとてもおすすめなのが、このムラコのファイヤープラグです。圧縮したコットンにパラフィンワックスを浸透させた物で、雨天時でもすぐに火が付く優れもの。サイズもコンパクトで持ち運びもグッドです。
【SPEC】
サイズ:Φ10 × L35mm
重さ:2.1g/pcs
焚火を安全に楽しむために必要なグローブは、Kinco GlovesのUnlined Split Cowhide 50をセレクト。牛革を使用したグローブで、使用するごとに味が出るのが特徴です。革が分厚くしっかり手のケアもバッチリ。ですが、耐熱ではないので注意。少しの間なら熱いものもつかめますよ!
【SPEC】
≪Sサイズ≫
全長 約23cm/中指長さ 約8.5cm
手のひら幅 約11cm( 平置採寸)
≪Mサイズ≫
全長 約24cm/中指長さ 約9cm
手のひら幅 約12cm (平置採寸)
≪Lサイズ≫
全長 約25cm/中指長さ 約9.5cm
手のひら幅 約12.5cm (平置採寸)
着火はバーナーなどではなく、ファイヤースターターで着けるのがUNBY流。そのファイヤースターターにもこだわりたいですよね。であれば、野良道具製作所 野良スティック竹 真鍮(大)がおすすめ。
通常のメタルマッチよりも太く作られており、着火性能が非常に高く簡単に火花がつきます。
【SPEC】
サイズ:160mm(全長)、105mm(ファイアスチール部分)
重量:約210g
「あってもなくてもいいモノ」をコンセプトに、宝物のようなギアを目指し職人が丁寧に仕上げたブラスター、FIRE BLASTER ARTISAN。使うほどに手になじみ愛着の湧く逸品です。
二本継になっており収納時は付属の収納ケースで持ち運べます。長く経年変化を楽しみながら使用したい方にもってこいのアイテム。
【SPEC】
使用長:600mm(分割時:350mm)
重さ:約100g
焚きつけ手順をCHECK!
アイテムがそろったところで、焚きつけの手順を確認しておきます。
①着火剤を置く。
より本格的な着火にチャレンジされたい方は、麻紐をほぐして着火剤の代わりやコットンの服の切れ端等でも代用できます。ただし、雨など湿気があるとなかなかつかないこともあるので注意です。
②小枝や細かい薪を置く。
着火剤に火が付いた後に、大きい薪を置いても火力が弱く火が移らないので、細かくした薪や落ち葉を置いてあげるのがポイントです。
ちなみに焚火の薪には杉などに代表される「針葉樹」とブナなどの「広葉樹」の2種類あり、燃え方が全く違うので知っておくと焚火がさらに楽しめるのでぜひ覚えておいてください。
「針葉樹」は着火しやすい反面、燃焼効率が高いので燃え尽きるのも早い種類。逆に広葉樹は、燃焼効率が低く熾火に適していますが、着火しにくい特徴があります。ですので、細かい着火するときの薪は針葉樹、火が安定してきたら広葉樹を入れていくのがおすすめです。
③着火する。
メタルマッチとナイフの背を使って着火していきます。メタルマッチは数回軽くこすってマグネシウムの粉を落としてやると、火花が粉に着火して火が付きやすくなります。
④太めの薪を置く。
着火剤から細かい薪に火が付いたら、メインの薪を先ほどの並列型に置いていきます。この時、すべての薪が重なっているところに火があると良いです。
並列型は調理に適しており、枕木近づくに連れて火力が上がる仕組みで、順に強火、中火、弱火と枕木から遠ざかると火が弱くなります。調理時は強火で炒め、弱火で保温したりと火加減を調節しやすいですよ!
このように炎がしっかりと上がればOKです。並列型は調理に向いているので、フライパンやケトルなどを置いて調理するのもいいですね。簡単に薪を足していけるのも並列型の良いところです。
焚火を長時間楽しめる「平行型」にチャレンジ!
UNBY的には火柱を高く燃え上がらせるよりも、落ち着いた炎を長い時間楽しむスタイルです。並列型で火が安定してきたら、平行型に置き換えると焚火をより長く楽しめます。
①並列型の薪を横にして散らします。
②上から大きい薪を置く。
平行型は、大きい薪を上から平行に置くことで、火の高さを抑えることが出来ます。玄人感も出ておすすめです。
この時に並べる薪は2~3本がベストです。継ぎ足しするときは、「中心に寄せて新しい薪を両脇に置いていく」を繰り返します。
これを繰り返すことで、焚き火を長く楽しめます。火が弱まったら、ブラスターで薪の下に拭いてあげると復活するので、ブラスターの用意は意外と重要です。
薪を足さずに放置すると火が弱まるので、焚き火も終盤に突入です。
③熾火でも十分楽しめる。
熾火とは炎を上げずに芯が赤くなっている状態で、非常に高温です。火力が安定しており軽くお湯を沸かしたりするのにも十分。焚火終盤で締めでコーヒーを一杯飲むのもいいかもしれませんね。
ここでの注意は、熾火は赤くなっていなくても高温の熱を持っている場合があるので、手を近づけて確認することが必要です。完全に熱がなくなるまでは目を離さないようにしてください。完全に冷めるのを待って片付けていきます。
熱が冷めたら焚火台を軽く水拭き。
みんなが嫌がる後片付け。でもここをしっかりやるのが、ギアや環境にとっても大切です。熾火の夏がないことを確認出来たら、灰にしていきます。
ここで絶対にやってはいけないNG行為が、水をかけて冷ますこと。まず、熱を持っている薪に水を掛けると高温の水蒸気が上がり手や顔などが火傷してしまう可能性があるんです。また、熱を持った焚火台に水をかけることで形が変形する場合がありますし、大事に長く使いたいギアだからこそ注意しましょう。
灰を散らしたら、灰を袋に捨てます。キャンプ場によっては灰ステーションなどの専用の灰捨て場があるので、便利です。持ち帰る場合は燃えないゴミとして扱います。
灰を捨て終わったら、タオルや、キッチンペーパーを濡らしてしっかり拭いていきます。アイテムを長く使うならこの作業もしっかりやるのがおすすめです。
この時もしっかり焚火台が冷めているのを確認してから作業しましょう。
ここまでの後片付けまでが、焚火です。くれぐれも灰をキャンプ場に置いて行ったり、燃え切っていない薪を捨てて帰ることはやめてくださいね。
今回は一味違った記事となりました。皆さんどうでしたか? これはUNBYが思う焚火スタイルをご紹介しましたが、焚火は人によってたくさんのスタイルがあり、捉え方も違います。正直、ここまで説明しといてなんですが、正しい火の付け方なんてないと筆者の僕は思います。
ですが、ちょっとした知識を持っていれば安全に楽しめますし、マナーをしっかり守らないと周りの人にも迷惑が掛かります。
結論、正しい火のつけ方はありませんが、「正しい楽しみ方」はあります。皆さんもどうかマナーを守って安全に焚き火を楽しんでください。